
参照元:https://ise-kanko.jp/purpose/sarutahikojinja/
道をひらく神「猿田彦神社」を詣る意味とは?
伊勢志摩を旅すると、「猿田彦神社」や「猿田彦命(さるたひこのみこと)」という名前を目にすることが多くあります。猿田彦命は「道をひらく神」として古代から信仰され、伊勢神宮の信仰体系の中でも重要な役割を担っています。本記事では、「猿田彦信仰とは何か?」という基本的な疑問から始まり、その起源、歴史、伊勢との関係、さらに実際に体験できるスポットまでを紹介しながら、この神が持つ深い文化的意義を探っていきます。
猿田彦信仰とは何か?言葉の意味と現代的意義
猿田彦信仰の意味と起源とは?

身長約2m,鼻の長さが1.5m程度あったことから天狗のモデルとも言われている

参照元:https://museum.isejingu.or.jp/news/6u8fhebb.html
猿田彦命は、神話において「天孫降臨(てんそんこうりん)」でニニギノミコトを高千穂まで案内した神です。そのため、導きの神、方位の神、交通安全の神として信仰されています。「猿田」は古語で「先導する者」を意味し、「彦」は男性を表します。古事記・日本書紀に記されたこの神話は、道をひらく力と縁起の良さを象徴するものとされ、多くの人々に信仰されてきました。
※天孫降臨とは、天照大神(アマテラスオオミカミ)の孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天上の世界から人の住む地上へ降り立ち、国を治め始めたとされる神話です
なぜ今、猿田彦信仰が注目されているのか?
近年では「人生の道をひらく神」として、特に新たなスタートを切る人々—起業家、受験生、転職者など—からの支持が集まっています。コロナ禍を経て、道に迷う人が増える中で、その象徴性が再評価されているのです。また、猿田彦神社がある伊勢市は、伊勢神宮参拝のルート上にあり、多くの参拝者が訪れるパワースポットとして人気を集めています。
猿田彦信仰の歴史と伊勢との文化的結びつき
猿田彦信仰の時代ごとの変遷

古代においては、猿田彦命は道の守護神として崇拝され、天孫降臨神話の中核を担いました。中世から江戸時代にかけては、旅や商いの安全を祈願する人々により信仰が広がり、伊勢講の存在によって全国へ伝播していきます。明治以降は、交通安全や開運の神として再編され、地域に根差した観光と信仰の場として今に至ります。
伊勢志摩エリアとの関係性
猿田彦命が祀られている猿田彦神社は、三重県伊勢市宇治浦田2‑1‑10に位置しています。ここは、猿田彦命が最期を迎えた地とも伝えられており、聖地としての意味を持ちます。神社は五十鈴川の近くにあり、伊勢神宮(内宮)から徒歩圏内で参拝が可能です。また、「おかげ参り」の伝統にも猿田彦が登場するなど、地域の芸能や祭礼にもその姿が色濃く残っています。
猿田彦命と天宇受売命 ― 導きと出会いの神話

参照元:https://日本の神社.asia/shinto15/shrine109.html
猿田彦命と深く関わる神として知られるのが、天宇受売命(あめのうずめのみこと)です。
天宇受売命は、天照大神が天の岩戸に隠れた際に舞を披露して神々を笑わせ、
再び世に光を取り戻したことで有名な女神。古くから芸能の祖神としても崇められてきました。
日本神話によれば、天孫降臨の折、背が高く、赤ら顔で鼻が長い、異様な雰囲気を放つ神が現れます。
その堂々たる姿に、八百万の神々は誰も近づけず、ただ遠巻きに見守るばかり。
そのとき勇敢にも一歩前へ出て、最初に声をかけたのが天宇受売命でした。
彼女は柔らかな笑みと機転を利かせた言葉でその正体を問い、
猿田彦命が天孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を高千穂まで導くために現れたことを明らかにします。
こうして猿田彦大神は天孫を無事に高千穂へ導き、役目を終えた後、天宇受売命と結ばれ夫婦となります。
この物語から、二柱の神は良縁や夫婦円満の象徴としても信仰されるようになりました。
猿田彦信仰を体感できる場所と楽しみ方
猿田彦信仰に触れるスポット・イベント

参照元:https://www.sarutahikojinja.or.jp/keidai/

参照元:https://www.sarutahikojinja.or.jp/sarume/

参照元:https://ameblo.jp/jo2nrlsoft777/entry-12542533912.html
猿田彦神社(伊勢市)は、猿田彦命を祀る総本宮。境内には運勢を占う「方位石」や、妻神であり芸能の祖神としても知られる天宇受売命(あめのうずめのみこと)を祀る「さるめ神社」もあります。芸能や表現活動の上達を願って、多くの芸能人や舞台関係者も参拝に訪れることで知られています。神社はおはらい町のすぐそばで、伊勢内宮からも徒歩10分程度とアクセスも良好です。

参照元:https://www.kankomie.or.jp/event/35088
また、毎年5月5日に開催される猿田彦神社例大祭(御田祭)では、地域住民による神輿や道化役者による奉納芸能も披露されます。地元ガイドと歩くおはらい町の文化体験ツアーもおすすめです。
⬇︎ 猿田彦神社詳細はこちら
ホームページ:https://www.sarutahikojinja.or.jp
住所:三重県伊勢市宇治浦田2-1-10
TEL:0596-22-2554(代表)
営業時間:境内は24時間参拝可能。授与所(社務所)は8:30~17:00
定休日:無休/境内は自由
駐車場:あり(境内に駐車場あり、御祈祷中は30分まで無料)

参照元:https://www.kankomie.or.jp/event/10235
二見浦の夫婦岩は、猿田彦命とその妻神である天宇受売命(あめのうずめのみこと)を祀る二見興玉神社の象徴的存在です。天孫降臨の際、異様な雰囲気を漂わせて現れた猿田彦命に、勇敢に声をかけたのが天宇受売命であり、その後ふたりは夫婦となりました。このことから夫婦岩は、縁結びや夫婦円満の象徴として親しまれています。
沖合には猿田彦大神ゆかりの霊石「興玉神石」があり、夫婦岩はその遥拝所としての役割も果たします。特に夏至の時期には、岩の間から朝日が昇る神秘的な光景を一目見ようと多くの人が訪れます。
二見興玉神社(夫婦岩)
紹介ページ:https://futamiokitamajinja.or.jp
住所:三重県伊勢市二見町江575
TEL:0596-43-2020
営業時間:境内は自由に参拝可能。社務所は9:00~16:00
定休日:無休
駐車場:無料駐車場あり。近隣に複数の駐車場(150台・220台など)あり
参拝・体験のベストタイミングとマナー
参拝は早朝か夕方が比較的空いていておすすめです。アクセスは近鉄「宇治山田駅」や「伊勢市駅」からバスで10分程度。伊勢神宮(内宮)とのあわせ参拝が一般的で、猿田彦神社→内宮の順に訪れると“道をひらく”流れに乗れるとされています。写真撮影や御朱印の取得、静かな参拝マナーを心がけましょう。
Q&Aまとめ
Q1. 猿田彦信仰とは何ですか?
A1. 猿田彦命を信仰する文化で、「道をひらく神」として交通安全や開運を願う神格です。
Q2. 猿田彦神社はどこにありますか?
A2. 三重県伊勢市宇治浦田2‑1‑10。伊勢神宮(内宮)から徒歩圏内にあります。
Q3. 参拝のおすすめ時期は?
A3. 混雑を避けるには平日の早朝か夕方。例祭のある5月初旬も見どころが多くおすすめです。
Q4. 他に立ち寄れる場所は?
A4. 二見浦の夫婦岩、おかげ横丁、五十鈴川周辺のカフェなどがあります。
まとめ|猿田彦信仰が私たちに教えてくれること
人生を導く神に出会う感動体験
猿田彦命は、道に迷ったときや人生の分岐点で人々を導く存在として信じられてきました。観光地としてだけでなく、「人生の転機」に寄り添ってくれる場所としての伊勢志摩を体感できることでしょう。その霊性に触れることで、心に小さな灯がともるような体験が得られます。
あわせて巡りたい関連スポット
五十鈴川沿いにあるカフェでのんびりと過ごしたり、おかげ横丁で地元グルメや伝統工芸に触れるのもおすすめ。より深く学びたい方は、三重県総合博物館(MieMu)や三重県立美術館で神話や民俗文化について理解を深めてみてください。
三重県総合博物館(MieMu)
公式ホームページ:https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/
三重県立美術館
紹介サイト:https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/